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はじめに

僕は将棋とか囲碁とか、先を読む系のゲームが本当にニガテ。せいぜい2、3手先まで考えたら「えいっ」って指しちゃうタイプです。


当然、勝てない。勝てないから、面白くない。面白くないから、たまに指しても先を読むなんてことはできないまま、また「えいっ」って指して・・・

以下、ループ。というか、だから将棋や囲碁はやってません。

そんな僕の性質は「目標」というものにもふんだんに活かされていて(?)、つい数年前まではずっとこう思っていました。


「いくら目標を立てたって、先のことなんてわかんないじゃん。だったらウンウン考えて目標なんか立てるよりも、まずは動いて、いきあたりばったりでもその場の状況に応じて対応できる力を磨いた方がいい」

もうひとつ、僕が自分の特性と思っていることがあります。これも僕が目標がうまく立てられないと感じた大きな理由のひとつです。


「それほどやりたいこと、どうしても達成したいことなんてないんだよね・・・」

こんな僕だから、人生の大半を「目標を立てていない状態」で過ごしてきました。

とはいえ最初からそう思っていたわけじゃありません。目標を立てることは大事だとなんとなくは思っていたし、特に、会社員を辞めて起業してからは、目標達成に関するいろんなセミナーや講座に参加してきました。

そう、僕だって「うまく目標を立てて達成したい」という気持ちはあったんです。でも、うまくいかなかった。無理やり目標を立ててみても、


・あいまいな目標のままで、具体的に何をすべきかわからない


・忙しくなると目標をあとまわしにしてしまう


・想定外のことが起きると、すぐに「しょうがない」と諦めてしまう

・「自分は本当にこれを達成したいのか?」と疑問が湧いてくる


・目標を立ててしばらく経って、達成が難しそうだと感じたら「ま、いいか・・・」と立ち消え


・途中で目標を変えてしまう、追いかけきれない

要は「目標を立てても達成できない」ことが続きました。


目標を立てても達成できない。だから「また達成できなかった」というコンプレックスが大きくなる。コンプレックスが大きくなるから、目標を立てるのが嫌になる。でも「目標は立てた方がいい」とは思うから、また無理やりにでも立ててみるけど、やっぱり・・・

あれ? これってやっぱり将棋や囲碁と同じことが起きている?


そんな「目標を立てるのがニガテ」だった僕が、この本を通して「目標の立て方」をあなたにお届けしようとしています。

なぜなら、いまの僕は確信を持ってコーチングのクライアントにこうお伝えしているからです。

「目標は絶対に立てた方がいいですよ」

見事な手のひら返しですが、いろんな目標設定セミナーや講座を学んで、それでも何度も挫折を繰り返してきた末にたどり着いた結論です。

僕自身がいまでは「目標」という「ツール」を使って、たくさんのことを実現しています。(そう、目標というものは「ツール」なんです。上手に使えばいいんです)

たとえば、僕が運営している通訳者・翻訳者のコミュニティ「カセツウ」の会員さんが増えているのもそうだし、3ヶ月で8キロ減量できたのもそう。この本を出版できたのも、「目標」をツールとして使ったからです。

もちろん僕だけではなくて、僕のクライアントである通訳者さん、翻訳者さんにも多くの成果が出ています。そのこともまた本の中でご紹介します。

この本では、目標を立てることがニガテで、目標を立てることから逃げ続けてきた僕が、目標を立てるのが楽しくなり、成果を出せるようになった経緯やノウハウをお伝えします。

最後まで読んでいただければこう思えるはずです。


「そうか、目標設定ってこんなのでいいんだ!」

そう、目標「なんて」、あまり深刻に捉えるものじゃありません。あなたに「ちょうどいい目標の立て方」をお伝えします。


「じゃあ、目標でも立ててみようかな」

この本を読みながら、こんな風に思ってもらえると嬉しく思います。

<この本を読んでほしい方>

僕はいつも通訳者さん、翻訳者さんへのコンサル中にこう話しています。

「あなたはどんなクライアント、どんな場面のための通訳者/翻訳者なのかをハッキリ伝えてください」

通訳や翻訳の面談で「どんな分野でもやります」って言う方がいますが、それではクライアントやコーディネータは、あなたにどんな仕事をお願いすればいいのかわかりません。「なんでもいいからお仕事ください」と言われても困るんですね。

IT分野の通訳者、金融分野の翻訳者、というように、「誰のため、どんな場面のための通訳者/翻訳者なのか」を絞り込んでアピールした方が、「この人にはIT分野の案件を紹介すればいいんだな」と、イメージしてもらいやすくなります。

だから僕も、この本は特にどんな方に向けて書いているか、どんな方に読んでほしいかを少し説明しておきます。

・通訳者、翻訳者、それを目指している方

僕の仕事は、通訳者さん、翻訳者さん向けのコーチング・コンサルティングの提供で、コミュニティの運営です。タイトルにも入れたように「通訳者・翻訳者のための」目標の立て方ですから、あなたが通訳者、翻訳者、またはどちらかを目指しているなら、この本から得られるものが多くなります。

・目標を立てることにニガテ意識がある方

僕自身、目標を立てることにニガテ意識を抱え続けてきました。もしあなたも目標を立てることにニガテ意識を持っているなら、この本はあなたのためのものです。目標を立てるのがニガテな要因はいくつもありますが、この本で書かれていることを読めば「そうだったのか!」と、目標を立てるのがニガテな自分に納得できて、ニガテ意識が薄れるはずです。

・達成したい目標が見つからない、やりたいことが思い浮かばない方

「達成したい!」と思える目標がある人は幸せです。

僕はもともとあまり欲がないというか、妙に冷めているというか、我を忘れて何かに没頭したり熱中したりするタイプではありません。そのせいか、目標を立てようとしても「これだっ!」という情熱を燃やせそうな目標が見つからず、だから目標を立てることをやめていました。

この本では僕みたいに「やりたいことや目指したいものが思い浮かばない、だから目標を立てられない」という悩みを解消する考え方をお伝えします。

・目標を立てても達成できない、追いかけきれない方

頑張って(または、とりあえず)目標を立てても、立てただけで終わってしまう。目標以外にもやることはいろいろあるし、そちらのことをやっていると目標のための行動はできなくなる。だから達成できないし、そのうちに目標そのものを忘れてしまう・・・ 

そんな挫折はありませんか? 僕は何度もあります。

目標は、立てただけでは達成できない。あたりまえのことですが、じゃあどうすれば良いのか? そんなことをお伝えします。

・どこにも向かっていない、なんだか宙ぶらりん感がある方

あなたにも、高校や大学の受験、何らかの資格試験の合格を目指して頑張っていた時期はあるはずです。通訳者、翻訳者になるための努力もしてきた/しているはずですね? たいへんだったかもしれませんが、充実感もあったはずです。その充実感は、達成したい目標があって、それに向かって頑張っている実感があったから得られていたものです。

じゃあ、今は?

達成したい目標がないと、やることはたくさんあっても、仕事に追われていても、忙しいだけでなんとなく宙ぶらりんで、どこにも向かっていない感じがするものです。

僕の会社員時代は、まさにそんな時期でした。その状態がダメというわけではありませんが、「~のために」という目標があった方が頑張れるし、充実感、達成感が得られます。「何かに燃えたいなぁ」という思いがあればこの本を読みながら目標を立ててみてください。

<目次>

第1章 そもそも目標って、必要?

第2章 目標設定のニガテ意識を克服する

第3章 目標を立てる前に絶対にやるべきこと

第4章 目標の練習素材(目標のタネ)を決める

第5章 目標のタネを「目標」に仕上げる

第6章 目標を達成できない理由の整理と対策

第7章 目標を達成するためのタスク管理

第8章 ウィークリーチェックインで目標に向き合い続ける

第9章 3ヶ月目標を立てよう

第10章 本当にやりたいことの見つけ方

読者特典 最後まで読んでくれたあなたへ

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